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2022.07.25
鏡の前で歯を磨いている時に、ふと見つけてしまった黒い点や汚れのようなもの。歯ブラシでゴシゴシ磨いても落としきれないと「え!もしかして虫歯?」と不安になりますよね。確かに、歯の表面が黒くなるのは虫歯の代表的な症状の1つですが、実はそれ以外にも、歯に黒い点や汚れのようなものが付着することがあります。
ここでは、歯が黒くなる原因やその治療法、歯が黒くならないための予防法などをご紹介していきます。
歯が黒くなる原因には「虫歯」「歯石」「着色汚れ」の大きく3つがあります。それぞれの原因について、さらに詳しくみていきましょう。
虫歯の代表的な症状の1つに「歯が黒く変色する」というのがあります。黒くなる以外に、表面に穴が空いていたり、冷たいものがしみたり、などの症状があれば、黒い原因が虫歯である可能性は高くなります。
歯石はプラーク(歯垢)が唾液の成分によって石のように硬くなったもので、歯ぐきより上に付着する歯石は白色~黄白色であるのが一般的です。しかし、歯石の中には血液の成分を含むことで黒くなるものがあります。この黒い歯石は歯ぐきより下(歯ぐきの内側)の歯面に付着することが多く、専門的には「縁下歯石(えんかしせき)」と呼ばれます。歯と歯ぐきの境目に黒っぽい付着物が見える場合は、この縁下歯石である可能性が高いでしょう。
虫歯や歯石以外で歯が黒くなる原因に、着色汚れがあります。これは一般に「ステイン」と呼ばれる着色物で、コーヒーや紅茶、緑茶などを常飲する方、色の濃い食品を好む方などによく見られるのが特徴です。同様の汚れに、タバコのヤニ汚れがあります。
次に、歯が黒くなった場合の治療法について、先の3つの原因別に詳しく解説していきます。
虫歯は歯が黒くなるだけでなく、進行するにつれ歯がどんどん溶けてしまい、最終的には歯が残せない状況に至ってしまいます。したがって、色が気にならなくても必ず治療を受けるようにしましょう。
具体的な治療法は虫歯の程度にもよりますが、「穴が空いている」もしくは「痛みなどの症状がある」場合は、黒くなった部分(虫歯)を削り取るのが一般的です。削った部分には詰め物や被せ物をいれて見た目や噛む機能を回復していきます。
歯石はそれ自体が虫歯や歯周病の原因にはなりませんが、凸凹した表面は細菌の温床となるため注意が必要です。とくに黒い歯石が付着しているケースでは、歯周病がある程度進行している可能性があるため、歯科医院で早めに除去してもらいましょう。
歯医者さんでは「スケーラー」と呼ばれる器具を使って、黒い歯石を丁寧に取り除いていきます。歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」と呼ばれるすき間ができますが、この歯周ポケットが深くなると歯石の除去にも時間がかかってしまいます。したがって黒い歯石を見つけたら早めに歯科医院を受診しましょう。
着色汚れで歯が悪くなることはありませんが、黒っぽく汚れた歯は周囲の人に不潔な印象を与えてしまうことがあります。したがって、こちらも歯科医院のクリーニングでキレイに落としてもらいましょう。
近年は着色汚れを落とす市販品(歯の消しゴムなど)も販売されていますが、セルフケアで着色汚れを落とすのはおすすめできません。自己流で着色汚れを除去すると、歯の表面に細かい傷がついてかえって歯が着色しやすくなります。着色汚れは必ず、プロの手で落としてもらうようにしてください。
上記の3つの原因のいずれも、セルフケア(歯磨き)の徹底と定期的な歯科の受診(定期検診)を並行して行うのが予防法としては最も効果的です。
自身ではしっかり磨いているようでも、お口の中には歯ブラシの先がうまく届かない部位も多く存在します。そのような部分の汚れを歯科医院で定期的に落としてもらえば、虫歯や歯石はもちろんのこと、着色汚れも防ぐことができます。
着色汚れについてはそのほかに、ステインがつきやすい飲食物や嗜好品を控えると着色を抑えることが可能です。具体的なものに、コーヒーや紅茶、緑茶、赤ワインなどの飲み物、チョコレートなどポリフェノールを多く含むものなどがあります。また、セルフケアで着色を防ぐ歯磨き剤を使用するのもよいでしょう。
歯が黒くなる原因には「虫歯」以外に「歯石」や「着色汚れ」などがありますが、自己判断は危険ですので必ず歯科医院を受診するようにしましょう。また、歯が黒くなるのを防ぐうえでは、歯科の定期検診がとても効果的です。
定期検診では虫歯・歯周病のチェックのほかにも、歯石やステインなど普段のセルフケアでは落とせない汚れをプロの手でしっかり落としていきます。クリーニングで歯の表面がツルツルになるとステインがつきにくくなるため、歯の着色予防にも定期検診はおすすめです。ぜひ3か月に1回の定期検診を習慣づけていきましょう。